種間競争(interspecific competition)
異なる種の個体どうしが、光・水分・養分・空間といった限られた資源をめぐって奪い合う関係。同種の個体間で起こる種内競争と対をなす概念で、どの種が生き残り優占するかを左右する。
解説
森林では特に光をめぐる種間競争が更新過程を強く方向づける。同じ場所に生えた複数種の実生・稚樹が林冠を目指して伸びるとき、耐陰性の低い先駆種は初期の急成長で優位に立つが、被陰されると弱く脱落しやすい。一方、耐陰性の高い種は成長は遅くても暗い環境で耐えて生き残り、長期的な競争に強い。この非対称性が遷移の過程で優占種を入れ替える一因であり、林冠ギャップのように資源が一時的に増える局面で、どの種が先に空間を占めるかを決める。資源利用の違いによる棲み分けは、極相林に見られる多様な樹種構成を説明する一つの視点だが、それだけが要因ではなく、攪乱による更新機会の偏りや病原体・食害者を介した密度依存効果など、他の共存メカニズムと並んで論じられる。
関連用語
- 耐陰性 — 光をめぐる種間競争での強さを左右する性質。
- 先駆種 — 初期の種間競争で急成長により優位に立つ種。
- 遷移 — 種間競争による優占種の入れ替わりを含む植生変化の過程。
- 極相 — 種間競争を含む複数の共存メカニズムの結果として成立する安定状態。
- 林冠ギャップ — 資源が一時的に増え、種間競争の勝敗が決まりやすい場。
- 種内競争 — 同種の個体間で起こる競争で、種間競争と対をなす概念。
- 競争排除則 — 資源利用がまったく同じ2種は共存できないとする、種間競争の帰結を示す原理。
- 生態的ニッチ — ニッチの重なりが大きい種どうしほど種間競争は強くなると考えられる。
- ニッチ分化 — ニッチの重なりを小さくして種間競争を弱め、共存を可能にする。
- 優占種 — 種間競争を含む種間関係を通じて成立し、入れ替わっていく群集の中心種。
- 相利共生 — 双方が利益を受ける、種間競争と対照的な種間関係。