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生態的ニッチ(ecological niche)

ある種が存続・繁殖できる環境条件の範囲と、その種が利用する資源や群集内で果たす役割をまとめて表す概念。「生態的地位」とも訳され、単に「ニッチ」とも呼ばれる。場所そのものではなく種の側の性質を指す点で、生息場所(ハビタット)とは区別される。

解説

ハッチンソンは、光・温度・水分・養分など多数の環境要因を軸とする多次元空間の中で、種が存続できる領域としてニッチを定式化した。このうち、他種がいない場合に生理的に存続できる範囲を基本ニッチ、種間競争などの生物間相互作用のもとで実際に占めている範囲を実現ニッチと呼び、実現ニッチは基本ニッチより狭くなるのがふつうである。森林では光が重要な軸で、耐陰性の低い先駆種は暗い林床では生理的に存続できないため、基本ニッチの段階で強い光のある条件に限られ、その結果、生育場所は明るい林冠ギャップや攪乱跡にほぼ限られる。資源が限られている状況では、ニッチの重なりが大きい種どうしほど競争は強くなると考えられ、完全に重なる2種は安定して共存できないとするのが競争排除則である。

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