種内競争(intraspecific competition)
同じ種の個体どうしが、光・水分・養分・空間といった限られた資源をめぐって奪い合う関係。資源の要求や利用のしかたがほぼ同じであるため、競争は激しくなりやすい。種間競争と対をなす概念で、個体群の密度や個体サイズのばらつきを左右する。
解説
森林では、天然下種更新で実生が密生した場所や、人工更新で一斉に植栽された林分のように、同種・同齢の個体が集まる状況で種内競争が顕著になる。光をめぐる競争では、わずかに背の高い個体が光を先取りし、その差がさらに成長差を広げる(サイズに非対称な競争)ため、林分内に優勢木と被圧木の分化が生じる。被圧木は成長が停滞し、やがて枯死して本数が減っていく。この密度に依存した枯死の過程は自己間引きとして整理され、間伐など密度管理の生態学的な裏づけとなる。一方、地下部の水・養分をめぐる競争は、光に比べてサイズ差が効きにくいとされる。種間競争が「どの種が残るか」に関わるのに対し、種内競争は「同じ種のうちどれだけの個体が、どのような大きさで残るか」に関わる。