相利共生(mutualism)
異なる種の生物どうしが互いに利益を受け合う種間関係。双方がプラスの影響を受ける点で、一方だけが利益を得る片利共生、一方が損をする寄生・捕食、双方が不利益を受ける種間競争と区別される。
解説
森林での代表例は、樹木と菌類が根で結びつく菌根、鳥や哺乳類が果実を食べて種子を運ぶ周食型の種子散布、昆虫などが花粉を運ぶ送粉である。ハンノキ類と放線菌(フランキア)による窒素固定のように、養分の乏しい立地への先駆種の定着を支える例もある。相利共生には、相手なしでは生活が成り立たない絶対共生から、相手がいなくても生活できる条件的共生まで程度の幅がある。また多くの場合、相手に与える炭素や果肉などのコストを伴い、利益とコストの差し引きは環境条件で変わる。条件によっては一方にとって純損失となり、寄生的な関係に傾くこともあるため、相利と寄生は連続的なものとして捉えられる。群集の成り立ちを競争だけでなく、正の相互作用も含めて捉える視点を与える概念である。