階層構造(stratification)
森林などの植物群落で、植物の葉群が高さの異なるいくつかの層に分かれて重なっている垂直方向の構造で、層状構造ともいう。森林では一般に、上から高木層・亜高木層・低木層・草本層・コケ層に区分される。
解説
階層構造は植物群落を特徴づける要素の一つで、植生調査では層ごとに高さや被度、優占種を記録する。上層の葉が光をさえぎるため林内の光は下層ほど弱まり、下層には耐陰性の高い種が多い。光をめぐる種間競争のもとで種ごとに異なる高さを利用することはニッチ分化の一例とみなされるが、下層には低木や草本だけでなく高木種の稚樹も含まれ、層の違いが種の違いによるのか成長段階の違いによるのかは区別しにくい。攪乱の前から林床にあるこうした稚樹は前生稚樹と呼ばれ、林冠ギャップができると伸びて更新を担い、層の構成を変える。層の数や境界は森林の種類や発達段階によって異なり、天然林では層数が多く複雑になりやすい一方、葉群が連続的で層を区分しにくい場合もあるため、区分には調査上の便宜という面もある。